とくに心が沸き立つこともなく、平凡に夏休みが終わろうとしている。そんな、夏休み最後の夜。主人公は父親からデジタル一眼レフカメラを譲り受けた。 これまで、デジカメには特に興味がなかった主人公だが、いざ手にしてみると、そのずっしりとした手応えと、機能美に魅了された。もともと、いわゆるデジモノが好きなのだ。 「とりあえず、明日、學校へ持って行って、何か撮ってみるか」 代わり映えのしない毎日に、変化が生まれた瞬間だった……